この夏は例年になく高温であったことが気象庁から発表されました。皆様におかれましては熱中症対策を中心とした日々の健康管理に難渋されたのではないでしょうか?日本を取り巻く海水温が高いことが原因のひとつのようですが、こうした環境変化は私たちの生活様式を再考しなければならず、医療機関の立場では疾病構造の変化を危惧しているところです。

 日頃より当院の活動にご理解とご声援を賜りありがとうございます。当院の救急部門は2024年度に3000台以上の救急車受け入れを記録し、東京都の救急医療体制への積極的な取り組みが評価されて9月に東京消防庁から表彰を受けました。急性期病床42床での3000台以上応需達成は、ひとえに緊急入院対応を含め救急診療に関係する職員一同の努力の賜物であり、地域の皆様の期待に応えた結果であると大変誇らしく思っております。

 手術関連についてご報告申し上げますと、常勤麻酔科医の管理のもと、術後回復室の運用により一層安全な術後管理を行っております。8月末日時点で全身麻酔による手術症例も前年比1.5倍強となりました。整形外科は救急外来経由の外傷手術のみならず、人工関節手術や関節鏡手術を積極的に実施しております。今秋にはいよいよ多血小板血漿(PRP)治療も開始されます。外科の取り組みとして内視鏡的処置による減黄処置や切石、大腸狭窄に対するステント処置の総数が10件を突破しました。また鼠径ヘルニア(脱腸)、急性虫垂炎、胆石胆嚢炎などの腹腔鏡手術はお待たせすることなく実施可能ですので是非ご相談ください。

 さて、去る9月18日に地域の医療機関関係者に参加いただき、当院で初めての医療連携会議を開催しました。お陰様で14医療機関26名の医師、連携担当の方々にご参加いただき、当院へご紹介いただいた患者様の経過報告に加え、当院との医療連携について意見交換を行いました。こうした医療連携活動を通じて烏山地域の医療機関がOne Teamとなって地域の医療を支えていけたらと思っております。2025年度を「reborn~新たな出発」と位置づけスタートしましたが、まさに当院のリスタートを象徴するような展開となっており、地域の先生方ならびに地域連携室の皆様に感謝申し上げる次第です。

      われわれの使命は困難な時代においても常に創意・工夫しながら前進し、世田谷区烏山地域およびその周辺地域から頼られる病院を目指していくことと考えています。最近の物価高・人材不足による医療機関の経営難の話題が出るようになり不透明感が漂っていますが、こうした困難な中にあっても医療安全と医療の質を中心に据え、柔軟に変化に対応していくことを決意しております。地域の皆様に信頼され、頼られる病院づくりに取り組むことを目指し、引き続き努力してまいりますので皆様のご指導、ご支援をどうぞ宜しくお願い致します。

世田谷北部病院長 馬場裕之